キャットフードの選び方[基礎知識]

あなたはキャットフードを選ぶときにはどんな基準で選んでいますか?

ペットショップやホームセンターに行っても種類がたくさんあって迷ってしまう…
なんとなくパッケージが美味しそうなのを選んでいるけど、コレってうちの猫に適しているのかな?

 

こういった疑問にお答えします。


この記事を書いているわたしは、猫飼育歴30年・動物看護師歴15年。ペット栄養管理士の資格もあり、現在も動物病院で勤務し日々猫さんと飼い主さんの暮らしのお悩みを解決しています。


 

この記事を読むと

  • キャットフードの基礎知識がわかる
  • キャットフードを選ぶ時の基準がわかる

市場にはたくさんの種類のキャットフードが存在し、選ぶにも一苦労ですよね。

選ぶときもパッケージは人間の興味をひくようなデザインで、各社工夫を凝らしているので惑わされてしまいます。

見た目だけに惑わされないように、キャットフードの基礎知識を学びましょう。



目次

キャットフードの種類

フードの栄養組成の違いよって種類が決まっていて
ペットフード公正取引協議会が定めています。

  • 総合栄養食
  • 一般食(副食)
  • 療法食

キャットフードにはいずれかの記載があるのでチェックしてみましょう。

総合栄養食

総合栄養食はこれと水のみですべての栄養が摂取できるフードです。
ライフステージにより

      1. ①妊娠期/授乳期
      1. ②幼猫期/成長期
      1. ③成猫期/維持期

1~3まで全てを満たすものは「全成長段階/オールステージ」と分類されます。

 

ここで一つ疑問が浮かびませんか?

そう高齢猫期(シニア)という分類は無いのです!

高齢猫用のフードは③成猫期に分類されており、ペットフード公正取引協議会で定める基準は存在しません。

しかし市場では7才以上用15才以上用というキャットフードが存在します。

これらのフードもパッケージの裏面の記載を確認するとどれも成猫用と記載されているのです。

その他の目的食

その他の目的食は一般食や副食、栄養補完食などと記載されています。
これらはすべて総合栄養食とともに与えなければならないフードです。

おやつやおかずに相当するイメージです。

ドライフードは大半が総合栄養食ですが、ウェットフードは注意が必要です。

よくパッケージを確認すると
一般食:総合栄養食と一緒に与えてください
と記載されている缶詰やパウチの製品は多数あります。

 

 

何よりわたしが問題だと感じているのは
ペットショップやホームセンターのウェットフード陳列棚には
総合栄養食と一般食がごちゃまぜに並んでいるところです。

これでは購入する人がいちいち裏の記載を確認しなければ違いがわからないのです。

 

最近では介護食と書かれているフードコーナーが多くなってきていますが、
この介護食も一般食が多く存在します。

特にスープ状やペースト状になっているフードで
カロリーがしっかり取れますと記載されているものでも一般食と表示しています。

つまり、カロリーは高いがビタミンやミネラルはこれだけでは足りないということです。

 

療法食

療法食とは病気の猫専用に作られたフードで主に動物病院で獣医師の指導の下に処方されるフードです。

それぞれの病気に適した栄養組成になっています。

 

 

近年問題視されているのはこの療法食がホームセンターやネット通販で手軽に購入できるようになったことです。

もちろん購入の利便性は良くなり、動物病院が閉まっている時でも購入できるのはメリットです。

 

しかし、病気を自己判断して療法食を与え猫の体調が悪化するケースもしばしばみられます。

うちの子は高齢になって腎臓が心配だから腎臓病用の療法食を与えておけば安心

こんな考えで購入してしまうと
健康な猫には足りない栄養素が出てきてしまいます。

 

また最近では逆のケースもあります。
市販の総合栄養食でも
「尿石症に配慮しています」
「腎臓に配慮しています」
こんな記載のあるフードを目にすることが増えました。

これらの総合栄養食を療法食と勘違いして購入するケースも増えてきています。

特に病気で療法食を購入する際は
・獣医師の指導に従うこと
・パッケージの表示はきちんと確認すること

キャットフードの価格の違い

店頭に並んでいるキャットフードだけでもお値段は様々です。
初めて猫を飼われる方はこの値段の違いに戸惑うかもしれません。

価格を決めるポイントは
・タンパク質含有量
・原材料の価格
主にこの2点だと考えられます。

パッケージに記載されている原材料は量が多い順番で書かれています。

キャットフードのメイン食材

原材料名のはじめに記載されているものがメイン食材です。
メイン食材を見てみると
価格が高いキャットフードはチキンやターキーなどお肉であることが多いです。

 

対して価格が安いフードは米などの穀類が多いです。

これはお肉より穀類の方が原材料が安いからだと考えられ

ます。

 

チキンとチキンミールの違い

チキンは想像通りの鶏肉ですが、チキンミールとは鶏肉を乾燥粉末状にした飼料のことを指します。

チキンミールは安全ではないという声も耳にしますが、
有害物質や病原菌に対してはきちんと管理されているため問題はありません。

しかし、チキンミールには可食部分ではなく骨や羽毛などが含まれている可能性があるために注意が必要です。

ペットフード安全法とAAFCO(米国飼料検査官協会)

ペットフード安全法とは日本で平成21年に施行されたペットフードに関する法律です。

法律が制定された年数から考えても
日本はペットフードに関しては世界から遅れをとっているのが実情です。

これに対してAAFCO(米国飼料検査官)とは
アメリカでペットフードの表示基準や栄養基準のガイドラインを制定している機関です。

AAFCOの基準は世界のペットフードのスタンダードとしてしられており、
AAFCO基準をクリアしています」と記載のあるフードを選ぶとより安心です。

ただしどちらの法律もどんな原材料を使ってというところまでは規制していないので
使用されている原材料は確認が必要です。

同じタンパク質量でも

  • 動物性タンパク質か植物性タンパク質か
  • チキンなのかチキンミールなのか

文字の記載だけでは細部までの確認はできないので
信頼できるメーカーのフードを選択するのがベストです。

キャットフードを選ぶ時の注意点

国産に惑わされるな

ついつい国産と聞くと安心できるような気がしますが、キャットフードに関してはそうでもありません。
「国産」とは日本で製造されている場合に表記されますが、
原材料まで国産とは限らないからです。

 

いかにも「国産」と大きな字で書いてあるパッケージを見ると

これで惑わされる人も多いだろうなぁと悲しくなります。

 

ペットフード安全法が平成21年に制定されていることから考えても
キャットフードは世界の方が進んでいます。

グレインフリーって何?

グレインフリーとは穀類が含まれていないことを指します。
穀物アレルギーがある場合は有用ですが、健康な猫は気にしなくても大丈夫です。

 

最近では猫は肉食だから穀類は入ってないほうがいい!

とか

肉食の猫は穀類が消化できないからグレインフリーが良い!

というメーカーのサイトを目にしますが、穀類は猫にとって悪者ではないのでご注意を!

ペットフードの穀類に含まれるデンブンは
α化(アルファ化)と言って猫が消化吸収される形で配合されているために
心配は不要です。

※猫では報告がありませんが、
犬ではグレインフリーのフードを継続して与えたことによって心筋症が発症したという報告もあるので、健康であるのにあえてグレインフリーのキャットフードにする必要はありません。

まとめ

  • パッケージの表だけに惑わされるな
  • パッケージの裏までチェックしよう
  • 総合栄養食と一般食は別物だ
  • 安心のためには原材料までチェックしよう

最後までお読みいただきありがとうございました。
健康な猫の暮らしは食事から!
おいしく健康な食事で長生きを目指しましょう。

モグリッチ

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この記事を書いた人

SHIZUKOのアバター SHIZUKO 愛玩動物看護師

ペット栄養管理士
CATvocate認定プログラム修了
猫飼育歴30年以上・動物病院勤務歴17年
愛玩動物看護師

幼い頃から常に猫がいる暮らし。
小学生の時には「将来の夢は獣医さん」と言うほど動物好き。
高校時代に進路で悩んでいた時に、資格ガイドで「動物看護師」を知る。
動物看護の専門学校を卒業後、兵庫県内の動物病院で勤務。
現在も5匹の猫と暮らしている。

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