これから寒くなる時期は特に猫さんの飲水量が低下しやすい時期です。
冬になると必ずオシッコのトラブルが増える。
何とか猫さんの飲水量を増やしたい!
こんなお悩みを解決します。
この記事を書いているわたしは猫飼育歴30年・動物看護師歴15年。
現在も動物病院に勤務し、日々飼い主さんの悩みを解決しています。
わたしも愛猫の尿石症に悩み、飲水量アップのために試行錯誤した経験があります。
猫の飲水量アップの秘訣がわかる
猫はなぜあまり水を飲まないのか
そもそもなぜ猫さんの飲水量にお悩みの方が多いのでしょうか?
それは猫の祖先に関係があります。
猫の祖先はエジプト暮らし
猫さんの祖先はリビアヤマネコと言われており、エジプトで暮らしていました。
エジプトは砂漠地帯で水も豊富にはありません。
そのため少ない飲水量でも暮らせるように、濃縮した濃いオシッコをするようになりました。
猫は飲水量が少なく、濃いオシッコをするのはこのためだと考えられています。
フードによる飲水量の違い
普段食べているフードの形状によっても飲水量は異なります。
ウェットフードとドライフードは見るからに含まれている水分量が違いますよね。
なので、猫さんの飲水量はフードから摂取する水分も含めてトータルで考える必要があります。
ウェットフードの水分量は 75~90%以下
フードの種類によっても異なりますが
ドライフードの水分量=約5g(10%)
ウェットフードの水分量=約40g(80%)
こんなにも違いがあるんです!
よくうちの子あんまり水を飲まないんです…
と相談を受けることがありますが、
よくお話を聞くとウェットフード主体の食事で水分がきちんと摂取できているケースも多いです。
年齢による飲水量の違い
人間では高齢になるとのどの渇きを感じにくくなると言われていますが、
猫さんにも同じことが言えます。
高齢期の猫さんはのどの渇きを感じにくいうえに、動くことが億劫になっていることがあります。
水は飲みたいけどベッドから出たくないからまぁいっか。。
動きたくない理由はさまざまですが、特に冬場は注意が必要です。
- 寒くてベッドから出たくない
- 冷たい床を歩きたくない
- 水飲み場までが遠い
- 冷たい水は嫌だ
こんな理由で若い猫さんですら冬場の飲水量は低下しがちです。
もともと濃縮された濃いオシッコをする猫さんは、
飲水量の低下でさらにオシッコが濃くなり尿石ができやすくなります。
さらに寒い時期は運動量も低下する上に、寒いこと自体が猫さんにとってはストレスの一因です。
こんな理由が重なって、冬場には猫さんの膀胱炎や尿石症が多くみられます。
猫の飲水量を増やす工夫
ではここからは実際に猫にたくさん水を飲んでもらうための工夫を考えていきましょう。
水の温度と新鮮さ
猫さんはもともと狩りをする肉食動物なので食事は人肌程度の約38度前後のものを好みます。
また新鮮さも重要視します。
飲み水を入れ替えたら飲みに来た!なんてことがよくあります。
猫さんは人間の行動をほんとによく観察してますよね。
最低でも1日1回、できれば1日3回は水を交換してあげましょう。
食事からの水分摂取を増やす
水分摂取のためにウェットフードを併用するのはおすすめです。
うちの猫が尿石症になってからは、ウェットフードにさらにおおさじ1杯の水を加えて与えていました。
水を足しすぎると味が薄くなるのか食べなくなることもあるのでさじ加減が大事です。
ちゅーるのようなペースト状のおやつの種類も増えていますので、
水分摂取としておやつに与えるのもアリですね。
ただし食べ過ぎは肥満の原因になりますのでほどほどに!
ドライフードをふやかすのは嫌いな猫さんが多いですが、
ふやけなければ食べてくれるケースも多いです。
実際にわたしの家でもウェットフードを開けるのは面倒だけど
水を飲ませたい!という時にはお皿の底から1cm程度水を入れ、その水の中にドライフードを入れて与えます
。
ふやける前のカリカリの状態であればパクパク食べて水まできれいに飲み干します。
だまされたと思ってトライしてみてください。
水飲み場を増やす
部屋の中に水飲み場は何か所ありますか?
わたしの家のリビングには4か所あります。
設置個所を増やすと猫さんがふと通りかかったときに水が飲みやすくなります。
おっ、水があるから飲んどくか
- 水飲み場は
- 冷蔵庫など音のする家電のそばではないこと
- 食事場所からは30cm以上離れていること
が理想とされています。
よくフードと水はセットで置きたくなりますが、食事とは離して置く方が好ましいようです。
食事で水が汚れるのを嫌うためではないかと言われています。
水飲み用の容器の工夫
よく猫さんのひげは敏感なのでひげが当たらないくらい広い口の容器が良いと言われています。
では素材はどうでしょうか?
わたしの家ではプラスチック製の洗面器と陶器の器を水入れにしています。
場所の好みもあるかもしれませんが、いつも空に近いくらい水が減っているのは陶器の水入れの方です。
フードを入れる食器の素材にも好みがありますが、水入れも同様に陶器が好みのようです。
猫壱さんの水用食器は目盛りがついていて飲水量の把握に最適です。
うちも使っています。
ウォーターファウンテン
蛇口から出る流れる水を好む猫さんもたくさんいますね。
うちのプー子ちゃんは流れる水が好きですが、飲み方が下手くそすぎて水にカブリつきにいきます。
見ているこちらは面白くて癒されますが、量的にはあまり飲めていなさそうです。
ウォーターファウンテンという画期的な流れる水飲みを初めて見た時は、なぜだかワクワクしたのを覚えています。
最近では種類もたくさんあり迷ってしまいます。
ですが、わたしの家では過去に2種類のウォーターファウンテンを購入しましたが現在は使っていません。
ウォーターファウンテンのメリット
- 流れる水が好きな子には最適
- フィルターが搭載されていていつでも水がきれいに保てる
ウォーターファウンテンのデメリット
- 水を流すためのモーター音が気になる
- お掃除が面倒
一時はこのウォーターファウンテンか蛇口からしか水を飲まない子もいて設置していましたが、掃除が面倒になってやめてしまいました。
水の入れ替えは毎日、掃除は週に1回でよい
と説明書きがあったのですが夏場はぬめりが気になります。
きれいなお口で飲んでいるとは限りませんし、フィルターには食べかすがつくこともあります。
昔の機種は内部が入り組んだ構造で掃除が楽ではありませんでしたが、最近の機種ではかなり改善されています。
流れる水が好きな猫さんにはピッタリですが、お掃除はマメにしましょう。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
飲水量アップで冬も健康で過ごしましょう♪
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