猫のブラッシングは方法を間違えるとブラッシング嫌いになります。
特に子猫のうちはブラッシングしようとしても遊びになってしまったり、ブラシに噛み付いてしまったりするのこも少なくありません。
正しい方法で行うと猫さんもブラッシングが大好きになり、うっとりするリラックスタイムにできます。
この記事を書いているわたしは、猫飼育歴30年・動物看護師歴15年。現在も動物病院で勤務し、日々猫さんと飼い主さんの暮らしのお悩みを解決しています。
この記事をお読みいただくと
- 猫さんがブラッシング大好きになる
- 猫さんとスキンシップがとれるようになる
- 猫さんの体を触ることで病気の早期発見ができる
猫にブラッシングは必要か
そもそも猫さんにブラッシングは必要でしょうか?
野生の猫さんは自分で毛づくろいをして、セルフブラッシングをおこないます。
また仲間同士で舐め合うことでスキンシップをとります。
飼い主さんと猫さんとのブラッシングはスキンシップを取ることができる上に、日頃から体を触ることで日常の変化に気づきやすくなり、病気の早期発見につながります。
なぜ猫はブラッシング嫌いになるのか
よく猫の飼い主さんとお話ししていると、
うちの猫ブラッシング嫌いやから全然できません!と相談されます。
でも嫌いになった猫にも言い分がある!
触られたくないところゴシゴシされた
ブラシの素材が気に入らん
毛玉を引っ張られて痛かった
思い当たるところはありませんか?
ブラッシングは猫さんとのスキンシップでもあるので、猫さんに気持ちいいと思ってもらわないと意味がありません。
お互いにイヤイヤではやりたくないですよね。
自己防衛本能
なかには途中までは気持ちよくブラッシングさせてくれてたのに、急に噛みついてきたという話もときどき聞きます。
そもそも猫には自己防衛本能というものが備わっています。
気持ちよくブラッシングさせてくれてたのに急に噛みつくのは、
この自己防衛本能がはたらくからです。
リラックスし過ぎて心を許してしまうと、
本能的にこれは危険だ!と急に自己防衛本能にスイッチが入り攻撃に転じてしまいます。
決して猫さんに悪気はないので怒らないでくださいね。
噛みついてしまった猫さん自身も気まずく思っているかもしれません。
予防策は満足度80%くらいでやめること。
自己防衛スイッチが入るタイミングは個体差があります。
一概に〇分までは大丈夫とは言い切れないので、
それぞれのタイミングを見極める必要があります。
猫のセルフケア(毛づくろい)とブラッシング
猫さんは自分で毛づくろいをして毛並みを整えます。
また猫さん同士でもスキンシップやあいさつとしてお互いの毛づくろいをすることがあります。
人間にとってはブラッシングは"お手入れ"という意味合いが強いかもしれませんが、猫さんにとってのブラッシングされることは、家族とのスキンシップやあいさつという意味でとらえているかもしれません。
ですから、嫌がる猫さんにブラッシングを無理強いしたり強要することは絶対にやめましょう。
猫同士の毛づくろい
母猫は子猫の全身を舐めてやり毛づくろいをし、排泄のサポートもします。
ですが、
大人の猫同士で毛づくろいをする場合は、
相手の顔まわりしか毛づくろいしません。
これは自分で舐めることのできない場所だからだと考えられています。
他の場所、背中やお腹は自分で毛づくろいができるので、
大人になるにつれてブラッシングを嫌がるのは猫の性質から考えれば自然な行動です。
一方で大人になっても飼い主に身を任せて、全身どこでも撫でたりブラッシングさせてくれる猫さんもいます。
これは飼い主さんが母猫のような存在で、いつまでも子猫気分なのかもしれませんね。
ブラッシング導入
用意するブラシはハブラシ!
ブラシじゃない!と思われるかもしれませんが、
猫さんのブラッシング導入にはハブラシが最適です。
人間の幼児用のハブラシか猫用のヘッドが小さいハブラシを用意しましょう。
・猫のブラッシング導入にハブラシが最適な理由
ハブラシでなでると猫さんのザラザラした舌触りに似ているので、
特に子猫は抵抗なく受け入れてくれる子が多いです。
ブラッシングが苦手な猫さんは
特にベターっと手の平などの広い面でなでられるのが苦手な子が多いです。
想像してみてください
これは猫同士では絶対にできない行為ですよね。
猫さんが毛づくろいをするときは、ペロペロと小刻みになめています。
力加減も猫の毛づくろいを想像してください。
決してゴシゴシ力強くはないですよね。
コツは優しくナデナデです。
【実践】猫のハブラシ ブラッシング
ハブラシブラッシングをするタイミングは猫さんが寝ている時が眠そうな時。
特に子猫で遊びモードの時にハブラシブラッシングしようとすると、
ハブラシはオモチャにされてしまいます。
まずは顔まわりから始めましょう。
- 鼻の上
- 目の上からおでこ
- 頬
- 顎下から首にかけて
好みの場所はそれぞれ違いますので、猫さんに合わせて行いましょう。
徐々に頭のてっぺん→首の方まで進めてみましょう。
顎下から首→前胸→前足の方は進めてみましょう。
徐々に範囲を広げていき、嫌がるポイントを見つけます。
嫌がる時は
- 目を開く
- 瞳孔が開く
- 皮膚がピクピクする
- 毛が逆立つ
こんなサインが見られたら、猫さんは嫌がっています。
嫌がりサインが見られたら、もうちょっとしたいという気持ちを抑えて、その日のブラッシングはそこで終えましょう。
できれば「おしまい」など、毎回同じフレーズで終えるようにすると、猫さんも理解してくれるようになります。
このハブラシブラッシングは猫の毛並みを整えたり、抜け毛を取ったりというよりは、ブラッシングを好きになってもらうためのスキンシップです。
このハブラシブラッシングに慣れてくれば、全身を触られるのを嫌がりにくくなったり、将来的には歯磨きへとステップアップすることもできます。
嫌がる猫さんには時間をかけてじっくりと慣らしていってあげましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント